乾癬は皮膚の炎症症状を伴い慢性の経過をとる病気です。「かんせん」という名前から「人から人にうつる」と誤解されやすいのですが、他の人に感染する病気ではありません。皮膚症状の見た目や現れる場所は人によってさまざまですが、頭皮や髪の生え際、ひじ、ひざなど比較的外からの刺激を受けやすいところに出やすいという傾向があります。典型的な症状は、皮膚から少し盛り上がった[浸潤・肥厚(しんじゅん・ひこう)]赤い発疹[紅斑(こうはん)]の上に、銀白色のフケのようなもの[鱗屑(りんせつ)]がくっついてポロポロとはがれ落ちます。爪の変形や関節炎を伴うこともあります。乾癬の治療は症状などに応じてステロイド外用、活性型ビタミンD3外用、PDE4(ホスホジエステラーゼ4)阻害剤内服、紫外線療法などを行います。症状が強く、治療がうまくいかない場合は高額療養費制度を利用した生物学的製剤やJAK阻害剤の使用を検討することがあります。